「話し下手」な人が実践する価値のある「聞き上手」への近道とは。
<「聞き上手」になるための第一歩>
職場や学校、話が盛り上がっている人達はどこにでもいる。
まずはそんな人達の話に聞き耳を立てて、話している人達の表情も観察する。
なぜ聞き耳を立てるだけではダメなのか。
理由は簡単で、聞き耳を立てていただけでは話してる人の表情や仕草が分からないからだ。
声のトーンは楽しそうにしていても、見るからにめんどくさそうな表情をしている人。
相づちが雑になっていて、早く話を切り上げたい様子の人。
相手の話を聞いている時は無表情なのに、自分の話になるとイキイキした表情になる人。
一見盛り上がっているように見える空間でも実はそんなこともない、意識して観察する事で見えてくる事がある。
気分よく話している人は話を聞いてる人の様子に気づかず、自分のペースで一方的に話し続けている。
話す側と聞く側、お互いが楽しめる会話が理想的だがなかなかそうもいかない。
逆に自分の事を話したい人は沢山いるので、聞き役は重宝されるという事でもある。
会話という共同作業を楽しく行うには、話の内容以外にも大切な事が多くある。
改めて観察する事を意識する事で。会話をしている最中の相手の表情や仕草から様々なことを読み取る事ができる。
観察することは話すことが得意でなくても始められる。
何気ない相づちでも、相手の反応をしっかり観察してからする事を忘れてはいけない。
自分の話をしっかり聞いてくれた上で相づちをしてくれていると相手に感じさせられれば、相手は喜んで色々な話をしてくれるようになる。
もちろん相手に気分良く話してもらうのが目的ではない。
相手の話を引き出すことをきっかけにして、相手の良さを引き出す事が一番の目的だ。
相手の反応から様々なことを推測して、相手に配慮した会話を展開する、聞く側にとってだけでなく話す側にとっても非常に大切な技術の一つである。
「観察する」ことを会話の突破口に、人との会話への苦手意識をなくす。
聞き上手になるためには、まずは「観察する」事が何より大切だ。
そうすると次は、一体どこを観察すれば良いのか、という壁にぶち当たる。
話している最中に観察できる所には、
相手の姿勢、仕草、目線、手足の位置、身体の向き、などの言葉以外の情報。
さらに、どのような色の物を好んで身につけているかなども意外にその人を把握するための重要な情報になる。
多くの観察ポイントがあるが、話しながら全てのポイントに気を配るのは難しい。
そこで思い切って注目すべき場所を一つにすることを提案する。
常に自然に視界に入れておくことが可能な、顔の表情に絞るのが良い。
特に、目元、口元といった変化が出やすい部分に注目する。
いくら表情に気をつけている人でも、ふとした拍子に目元、口元に自分の気持ちが表れているもので。
話している人たちを観察していると、目元、口元の変化に案外気づくものである。
自分が話していると相手の表情にまで気が回らず、会話の内容だけに集中してしてしまう。
だが、それではもったいない。
相手の目元、口元を「観察」ことを忘れない。
たったこれだけで、今まで見逃していた情報を収集するチャンスが得られる。
忘れてはいけないことは、情報は収集するだけでは意味がないという事。
「観察した情報」を「分析する」ことが重要になってくる。
例えば、相手の目元に注目した時に、目線が上下に動いていたら自分の話に同意や興味を示してくれている。
逆に目線が横に動いていたら自分の話に興味はなく、次の話題に移った方がいいかもしれない。
口元に注目した時に、口元が少し緩んでいるなら自分の話に早く反応したい、興味を示している。
逆に口元が固く閉じているなら、興味どころか自分に対して否定的な気持ちが強いのかもしれない。
ほんの少し今まで何気なく見ていた部分を、意識を集中して観る事で、会話は円滑に進む。
「観察」することで得られた情報を、さらに「分析」する。
相手の反応から相手の気持ちを想像出来るようになれば自分の中で心の余裕が生まれる。
自然に自分から会話を展開する自信も湧いてくる。
結果として会話の中で、後手に回るのではなく、お互いが楽しい時間を過ごせる。
「観察」し「分析」する。
さらに余裕があるなら「相手を理解」するという意識を持つことも大切になってくる。
対話する上で大切なのは、口数が多いことや話が面白いという事だけではない。
口数が少なくても相手の言いたい事や感じている事を理解している。
こういう人は知らず知らずのうちに相手からの信頼を勝ち取ることができ、自然と相手と上手に話せるようになる気がするからだ。
「聞き上手」になり相手と自然に話せるようになるには、「観察する」・「分析する」・「相手を理解する」の3つの武器を身につける事が重要になる。